■2007年6月定例議会 建設水道常任委員会 議案外質問と答弁(6月14日)
1.中高層建築紛争の防止
質問(そえの)
1.中高層建築紛争の防止について、いわゆる高層マンション建設問題は、さいたま市においても、後を絶ちません。中高層建築物の建築に係る紛争の防止及び調整に関する条例もあり、「近隣関係の問題解決のために」というパンフレットも作成されていますが、実際にこれらの行政努力がどれだけ効力を発揮しているのか、マンション建設問題に関わるたびに疑問を生じざるをえません。高層建築紛争防止のまちづくりの手法として、建築協定、地区計画、景観条例の3つがあげられております。しかし、これらの手法の前に都市計画の用途地域指定の問題も根本的にあると考えます。昔、日照、今、高さと言われていますが、高層マンションが旧来の住宅街に出現することによる、近隣生活環境に与えるマイナスの影響に対する抜本的な解決策を市として示さなければならないのではないか、という問題意識をもって以下、質問します。
(1)市政概要によると、紛争調整(あっせん)取扱い件数は、申し出7、解決2、打ち切り1、調整不開始4とあり、調停取扱い件数は申し出2、合意1、打ち切り1とあります。これらの件数は市内の中高層建築の現状から見ると、非常に少ない割合です。実際には、こうした調整、調停にまで至らず、住民と事業者との間で交渉を行なったり、あるいは住民の泣き寝入りでとどまっている事例が多数だと思われます。条例規定による調整、調停の現状と問題点は何か?うかがいます。
(2)建築確認が民間でもできるようになって以降、行政が住民と事業者の間に立って、紛争防止に向けての働きかけが少なくなってきているのではないでしょうか。行政指導の限界性があると思われます。住民の相談にのる所管は、北部建設事務所、南部建設事務所が受けていると思いますが、年間どれだけの件数の相談を受けているのか?うかがいます。また、業者が提出する近隣説明等の報告書は、住民の相談解決にとってどのように作用しているのか?についても教えてください。
(3)建築協定は、将来にわたって地域の住環境を保全していこうとする制度ですが、区域内の土地所有者全員の合意が必要であり、本市の場合、その締結方法は一人協定が多いと聞いています。建築協定の現状と、高層建築紛争防止の面で、建築協定制度の活用上の課題は何か?うかがいます。
(4)中高層建築物の建築紛争を防止するには、まちづくりのルール作りとともに、住民への不断の周知、PRが欠かせません。近年、市街化された街に住む市民にとっては、空き地があると高層マンション建設問題がすぐ想起されるようになってきたとはいえ、大多数の市民にとっては、近隣に高い建物が建つという計画が知らされて初めて、日照や圧迫感、景観、騒音、振動、プライバシーなどの影響とその被害をくいとめるにはどうしたらいいのかといった、切実な問題に直面することになるのだと思います。日頃から、こうしたまちづくりへの関心を高めるような取り組みが行政に求められると考えるが、防止のための制度の普及や周知について、今後どのように取り組むのか?うかがいます。(本庁と建設事務所との連携も含めて)
答弁(建設部長)
中高層建築紛争の、防止についての質問にお答えします。はじめに、中高層条例に基づく、あっせん、調停の、取り扱い件数についてでございますが、平成18年度における、近隣説明等・報告書の届出件数は143件で、ございました。そのうち、あっせんの申し出は15件で、うち合意が1件、打ち切りが7件、不開始が7件となっております。また、調停の申し出は8件で、打ち切りが4件、不開始が4件となっております。委員、ご指摘のとおり、市内の中高層建築物の建築に対し、あっせんや調停の申し出が少ない状況は、平成18年度でも、同様でございます。居住する地区内に、中高層建築物の計画が持ち上がった場合には、少なからず、紛争が起こることも、在ると、考えられますが、条例の趣旨を踏まえ、紛争解決に向けて、事業者と近隣住民で話し合いを行うことで、自主的に問題の解決が図れる、そうした計画も多くございますので、条例は、紛争解決に、有効に寄与しているものと、考えております。
次に住民からの相談件数と、隣接説明会等・報告書の作用について、でございます。平成18年度における、隣接説明会等・報告書の届出件数は、ただ今ご説明いたしたとおり、143件でございますが、このうち、届出に係わる、建築計画に対する、要望書等が提出されました件数は、18件となっております。要望書等が、提出される、建築計画につきましては、複数の住民の方から複数回の相談を受けるケースが大半でございますし、又、一般業務の中で市民の方からの、日照、及び相隣関係など中高層建築物の、建築に起因する、さまざまな相談に、日々応じておりますので、相談件数といたしましては、数字として把握しておりませんが、相当数に及んでいるところでございます。また、事業者から提出された、近隣説明会等・報告書を審査することにより、条例で規制する、計画の事前公開と、概要説明が適切に行われているか、さらに相隣関係の内容を把握することにより、必要に応じて事業者や住民に対して、適切な指導や、助言を行うことで、双方の主張の、歩み寄りをはかり、紛争解決に努力しているのが現状であります。
次に、建築協定の現状と課題について、でございます。建築協定とは、ご承知のとおり住宅地としての、良好な環境や、商店街としての利便を、より高度に、維持・増進することなどを目的としておりまして、地域住民の方々が主体となり、住環境を維持保全していくうえで有効な制度であります。しかしながら、手続き上、区域内の土地所有者等、全員の合意のうえに、成立するもので、ありますことから、本市19地区の建築協定区域のうち、約8割の15地区が一人協定によるもので、いずれも宅地開発された、戸建住宅が多い地区で、締結されているのが現状でございます。従いまして、土地利用について、周辺環境の維持を優先する方や、一方、最大限の土地利用を望む方など、それぞれの考え方が、ありますので、高層建築・紛争防止の面からも、建築協定を活用するにあたっては、土地所有者の方々の、意向を考慮した、統一的な考え方や、取りまとめ方法などについてが、一番の課題であると考えております。
次に建築紛争を防止するための制度の普及や周知と今後の取り組みについて、でございます。これまでも、中高層条例のあらましと、紛争が生じたときの、一般的な考え方を示したパンフレットを、建築担当窓口、及び各区役所の情報公開コーナーに常時備えおき、また、市のホームページにも掲載し、中高層条例の、制度の周知を図ると共に、日常業務におきましても、建物の高さなどを制限できる「地区計画」や「建築協定」などの「まちづくりの制度」について、お知らせしているところでありますが、今後は、公民館などにも、本条例のパンフレットを、常時、そなえ置くなどして、建築紛争を防止するための、制度の普及に、取り組んでまいりたいと考えております。
■2007年6月定例議会 一般質問(6月11日)
1.公園緑地の拡充
(1)都市公園の各区における整備状況と課題
(2)歩いて行ける身近な公園整備、グリーンパラソル(住区基幹公園)推進事業
(3)未利用市有地の積極活用
(4)市民・事業者との協働
(5)緑の基本計画の実効性
2.障害者自立支援法施行後の障害福祉政策
質問(そえの)
1.公園緑地の拡充について、本市のように都市化された市街地において、公園緑地は大変重要で、生活に潤いをもたらし、災害時には防災拠点となったり、ヒートアイランド現象をやわらげ、景観や環境の保全にも役立つなど、市民生活に欠かせない役割を果たしております。相川市長のマニュフェストで挙げられている「政令指定都市における一人当たり公園面積第一位を目指す」、そして今年1月に改定された緑の基本計画は、とても期待の持てるものです。今後、緑のまちづくり施策の具現化をいかに行なうかが、シビアに問われているのだと思っております。都市化が進めば進むほど、住民ニーズの高い公園緑地を目的意識的に創出する施策を取らない限り、拡充は望めません。以下、5点にわたって質問いたします。
(1)都市公園の各区における整備状況と課題について、緑の基本計画を見ますと、一人当たり公園面積比は各区で差があり、そして、どの区においても歩いていける身近な公園が少ないのがわかります。特に南区、中央区、浦和区は都市公園面積が少なく、現在の市内平均4.95㎡、マニュフェスト目標年次平成32年度一人当たり面積10㎡に比して、現状はこの3区では1.5㎡前後(1.27㎡、1.67㎡、1.74㎡)であり、公園の少ない地域では今後13年間でどれだけ目標値に向けて整備が達成できるのか、はなはだ心もとないというのが、率直な印象です。こうした状況下での課題として、街区公園の整備が優先されるべきではないかと考えますが、見解をうかがいます。また、借地公園、立体公園、公共空地として残すなどの手法がありますが、どのように検討されているのか?お聞かせください。
(2)歩いて行ける身近な公園整備、グリーンパラソル(住区基幹公園)推進事業について、グリーンパラソル推進事業も順次進められておりますが、この事業をもっと市民に知らせる必要があるのではと考えます。浦和青年の家跡地を公園にという、浦和区岸町地区の方々の強い要望があります。この間、埼玉県、本市と交渉しているとの報道もありましたし、議会でも取り上げられておりました。調公園(7700㎡)に隣接した浦和青年の家と県立青少年会館(計3170㎡)跡地は、公園用地として整備がなされれば、駅に近い場所での市民憩いの場として最適であると思います。公園用地化は、そのタイミングにも左右されることを考えますと、調公園の拡充は時機にかなったものですし、公園緑地の拡充にかける行政の熱意をぜひ形に表していただきたいと思います。そこで、あらためてグリーンパラソル推進事業の位置づけ(優先度)と、事業実施の目標設定(公園カ所数、面積、年次、財源)についてうかがいます。「マニュフェスト工程表・平成19年度版」によりますと、「街区公園(緑化重点地区総合整備事業)整備計画」を作成したとありますが、その内容について、お示しください?また、市民に明示していただきたいと考えますが、どうか?お聞かせください。(街区公園整備の難しさ。臨機応変。住民ニーズ、財政的裏づけ、公園適地の不確実性)
(3)未利用市有地の積極活用について、市の土地は、公共財として有効に使われなければならないのは、言うまでもありません。公園緑地の拡充にあたり、未利用市有地の積極活用が方策として出されていますが、現在までの実績はどうか?また、今後の活用について、どのように検討されているのかお聞かせください。公園の用地取得にかかる財政面をふまえると、未利用市有地の活用は非常に意義あることだと思います。所管換えも含め、関係各課との連携・調整を積極的に進めていただきたいと考えますが、見解はどうか?うかがいます。(Ex.北浦和ターミナルビル駐車場跡地の普通財産化による、住民の公園要望)
(4)市民・事業者との協働について、公園緑地が市民の財産であることを考えれば、公園緑地の拡充に際しても、市民・事業者の協力、協働の力をつけていくことが必要です。市民や事業者からの寄付金などによる、緑の保全・緑化の推進を目的とした基金創設については、現在どのように検討がなされているのでしょうか?また、公園管理において、市民や事業者等の参加を呼びかける具体的な方法についても、検討状況をお聞かせください。公園緑地の拡充、保全・創出に向けて、市民、事業者への発信と、市民が提言できる機会づくりとして、各区での地域実態に応じた場の提供づくりに取り組んではどうかと考えますが、見解をうかがいます。
(5)緑の基本計画の実効性を高めるために、緑の基本計画にあげられている推進体制と仕組みづくりは、どれもが意義あることですが、施策の意義の重要度、現実可能性などの優先順位の評価と位置づけを明示してほしいと思います。行政組織内での連携強化は、どのように取り組まれているのか?また、アクションプランの策定について、その見通しと取り組みについてお聞かせください。
答弁
ご質問の1番目の公園緑地の拡充について順次お答えいたします。まず、(1)の都市公園の各区における整備状況と課題についてお答え致します。本年4月1日現在の本市に於ける一人あたりの公園面積は。約4.97平方メートルでございます。議員ご指摘のように区ごとに見ますと、桜区が18.3平方メートルと1番広いわけですが、逆に南区、中央区。浦和区など都市化の進んだ地域では面積が少ない状況となっております。
都市におけるこうえんといたしまては、身近にある公園をはじめ防災機能を有する大規模な公園、あるいはスポーツなどのレクリエーションが行える運動施設を有する公園などバランスのとれた整備が求められます。しかし、都市化の進んでいる地域では大規模な公園整備では用地の確保など長期の時間を要するということ考えますと、街区公園や近隣公園などの規模の小さな公園の整備を優先させることもひとつの方法ではないかと考えております。そのため、公園の面積や数の少ない区においては、新幹線沿いの環境空間を借地にするより整備することや、河川用地を占用とした整備、あるいは市街地再開発事業や土地区画整備事業と連携した整備など多様な手法により公園用地の確保をして整備を行う必要があると考えております。
次に(2)歩いていける身近な公園整備、グリーンパラソル推進事業についてお答えいたします。本市では、歩いていける身近な公園として、おおむね半径250メートルに1箇所の街区公園を適切に設置するために、グリーンパラソル推進事業に取り組んでいるところでございます。こうした公園の用地はあらかじめ土地を設定できるケースは少なく、適当な土地が発生した段階で機能的に用地を確保するケースが多いため、事前に箇所数や面積等を設定することは困難な側面がありますが、公園が不足している地域を中心に予算の範囲内で積極的に整備を行っているところでございます。また、マニフェスト工程表における街区公園整備計画ではございますが、これは計画的な公園整備の財源の確保を進めるため国庫補助事業である緑化重点地区整備事業の活用について検討を行ったものでございます。この事業を活用することによりまして、通常補助対象にならない小規模な公園の整備を補助事業として整備ができるようになるものでございます。
次に、(3)未利用市有地の積極活用についてでございますが、厳しい財政状況の中、公園整備を進める有効な手段として、未利用市有地の活用や河川区域の占用などによる公園整備に積極的に取り組んでいるところでございます。実績といたしましては、平成17年度は、4箇所、面積約2000平方メートル、昨年度は2箇所面積6000平方メートルを新たに公園として整備いたしました。本年度は、(仮称)東大成中山道公園、これも仮称ですが、櫛引南公園の整備の他、岩槻区加倉5丁目地内の浄水場跡地、それから埼玉県の調節地の上部を活用した(仮称)桜木調節池公園の整備を予定しております。
次に(4)市民・事業者との協働についてお答えします。まず、緑の保全・緑化の推進を目的とした基金創設については、緑の保全や緑化のための財源の確保のひとつと認識しており、公園緑地のための財源確保については幅広く研究する中で検討してまいります。公園における市民との協働につきましては、公園の計画設計段階からの市民参加が不可欠であると考えております。現在、公園の計画設計にあたりましては、利用者の要望や意見を反映させるため、自治会等への説明会の開催や、必要に応じてワークショップ手法を活用など、利用者のニーズを踏まえた公園整備を進めております。公園の計画設計段階からの市民参加を進めることで、地域の公園として市民が愛着を持ち、公園機能の周知や理解が図れるとともに、管理運営への市民参加が推進されるものと考えております。また、議員ご指摘のように公園の管理段階において、さらなる市民や企業等の参画を促進することは、重要なことと認識しております。今般、この秋にはリニューアルオープンする大宮公園サッカー場の改修に合わせてネーミングライツの募集を行ったところでございますが、こうした手法も公園の管理段階において企業参画を促す手法のひとつであり、今後もこのような新たな取り組みを含め幅広い観点から研究してまいります。
続きまして、(5)緑の基本計画の実効性を高めるために、アクションプランについてのご質問がございました。平成19年4月に本市の21世紀を展望し緑に関する長期的な総合計画として、緑の基本計画の改訂版を策定し、市民の皆様に公表いたしました。この緑の基本計画で挙げた施策を効果的に推進する上で、具体的な推進手法を定めたアクションプランは、大変重要なものと認識しております。市民が安全・安心に生活できる緑豊かな街づくりを推進するため、緑の基本計画の施策の中でも、特に重点的に取り組むべき施策や早期に取り組むべき施策等を見極めた上で、有効性のあるアクションプランを展開していく必要があると考えております。今後庁内関係部局との緊密な連携のもと、さいたま市の緑の基本計画をダイナミックに展開するようなアクションプランの策定を検討してまいりたいと考えております。
質問(そえの)
2.障害者自立支援法施行による障害福祉政策について、さいたま市では、1月から独自の激変緩和策を実施し、また、国においても、1割負担の上限額の引下げ(現行2分の1から4分の1)や軽減対象世帯の拡大などの特別対策を実施しています。法の理念はともかく実際の施行において、障害者の置かれている社会的状況と乖離しているので、現実的対応をせざるをえないことを表しているのだと思います。障害の重い人ほど重い経済的負担を強いられる応益負担制度の導入は、どう考えてもおかしいですし、負担緩和の軽減措置はあくまでも例外措置であり、負担上限額を定めても効果のない人たちも多いのではないでしょうか。法の見直しを求める声は大変大きいものがあります。障害者の多くが被扶養者であったり、作業所の工賃月額7300円、授産施設で得る工賃月額15000円という全国平均の状況下での応能から応益負担への変更は、障害者の生活をより圧迫しています。自立支援法施行後の本市の障害福祉サービスの利用状況と課題について、どうかうかがいます。(居宅サービス:居宅介護、移動介護、デイサービス、短期入所、グループホーム)
さいたま市障害福祉計画が本年3月に策定され、平成23年度までのサービス見込み量も示されましたが、従来の施設およびサービス利用については5年の移行期間とされていることや、障害者プランとの整合性など、不確定の要素を持ちつつ、福祉サービスの基盤整備を行なわなければならない担当部局のご苦労は容易に想像できます。また、平成21年度には障害福祉計画と障害者プランともに第2期の策定が予定されていますが、障害者の自立を支え、障害者も健体者もともに地域で暮らしていける社会づくりに本市独自の積極的な福祉施策が求められています。障害福祉サービスの体系が再編され、自立支援給付と地域生活支援事業とに大きくは分類されましたが、従来のサービスの低下を招かずに、障害当事者に負担のしわ寄せがいかないように施策展開を行なっていただきたいと願っております。裁量的経費事業である地域生活支援事業では、それぞれ自治体ごとに負担のありようが異なっていますが、相談支援やコミュニケーション支援、日常生活用具等給付の事業において、本市の対応策はどのようになっているのか?うかがいます。過日、心身障害者地域デイケア施設の地域活動支援センター移行に関する説明会が行なわれたと聞きました。移行によって運営がより厳しくなることも予想されます。地域デイケア施設事業は埼玉県の単独事業で、障害者の社会参加と地域生活にとって積極的役割を果たしてきた事業であり、政令市移行後の本市も本市の単独事業として、通所施設利用者の約4割がデイケア施設を使っています。いわば障害者のニーズに合った通過型の施設であり、こうしたデイケア施設の良さをそこなうことのないようにすべきであります。自立支援法では大都市特例はなくなりましたが、さいたま市として誇れる独自の障害者施策について、どのように行なうのか?お聞きします。(地域生活支援事業、デイケア、精神の医療費手帳補助、障害者総合支援センター、生活支援センター)昨年11月、さいたま市が八都県市首脳会議で提言し、自立支援法の課題解決に向けて国に提案していくこととされました、本市の障害者福祉にかける積極姿勢を示していると受け止めています。説得力あるリーダーシップを発揮していただきたいし、障害者の生活実態を一番よく知っている自治体の現場から、国の法律をより良いものに変えていく力を発揮していただきたいと思います。八都県市の共同研究については、現在どのように取り組まれているのか?また、今後の方向性と課題についてうかがいます。
答弁
2.障害者自立支援法施行による障害福祉政策についてお答えいたします。まず、障害者自立支援法施行後の利用状況とその課題についてでございますが、法が施行された平成18年4月以降、居住介護と移動支援の利用実績は、法施行前の平成18年3月と比べて減少しておりました。このため本市では、本年1月から独自の利用者負担軽減策を導入したところでございます。その結果、施行前の平成18年3月と1年後の平成19年3月との利用時間数を比較いたしますと、居宅介護では約1%、移動支援では約4%野の伸びとなっております。このようなころから、利用者負担のあり方は、法の適正な運用を図るうえで大変大きな課題であると考えております。
次に、相談支援事業、コミュニケーション支援事業、日常生活用具等給付事業の利用者負担についてでございますが、法施行前から利用者負担のない相談支援事業、コミュニケーション支援事業については法施行後においても無料としております。日常生活用具等給付事業については、障害者福祉サービスと同様に原則1割の定率負担とし、上限額を設けておりますが、従来、応能負担であったことや、障害福祉サービス等に市独自の激変緩和策を講じていることを勘案し、平成19、20年度については、市民税非課税世帯の方については無料としております。
次に、心身障害者地域デイケア施設についてでございますが、将来にわたって安定した運営を行うためには、法定事業である地域活動支援センターへの移行が望ましいと考えておりますが、すぐには移行できない施設もありますことから、当面は現行の地域デイケア事業を継続することとしております。今後、地域活動支援センターへの移行が円滑に行われますよう、事業者の方々のご意見を伺いながら支援内容を検討してまいります。
次に「他市に誇れる市の独自施策について」でございますが、大都市特例が廃止されましたが、精神障害者退院支援事業や障害者社会参加推進センター運営事業など、市独自の特色を持って推進してきた事業につきましては、引き続き市独自の事業として実施しております。また、障害者の就労支援や生活支援、授産支援等を総合的に行う拠点施設として開設した障害者総合支援センターや障害者や家族などの身近な相談機関として、身体、知的、精神障害に対応できる障害者生活支援センターの各区への設置、また本年4月から実施しております精神障害者保険福祉手帳の交付申請にかかる医師診断書の費用補助など、他市に誇れる市独自の施策と考えております。
次に、八都県市の共同研究についてでございますが、現在、八都県市の所管課長を構成員とする「障害者自立支援法研究会」を立ち上げ、利用者負担や就労支援等の課題を研究テーマとして取り組んでいるところでございます。(研究会では、障害者の実体に合った適切なサービス利用ができる仕組みづくりということから、例えば「働くことが困難で、就労による所得が得られない人の利用者負担のあり方について検討する必要がある」、「現状の分かりにくい仕組みをもっとシンプルにすべき」などの意見が提示されており、今後、具体的な提案内容を検討することとしております。)今後、鋭意検討をすすめ、4月から実施された国の特別対策による影響等を把握したうえで、改めて検証することも必要であると考えており、来年度中に予定されている法の見直しの際し、国に対して適切な提案を行えるよう鋭意検討を進めてまいります。